2017/07/17(月)
円背の方に対して考えておきたい筋膜ラインとは?
カテゴリー:腰痛
From志賀祐介
今回は猫背に関わる筋膜
スーパーフィシャル・フロント・ライン
(Superficial Front Line:SFL)について
考えていきたいと思います。
SFLは、足背から頭蓋後面まで、身体前面
全体を接続しています。この筋筋膜経線は、
指趾から骨盤までと、骨盤から頭までの2つ
の部分からなります。
立位で股関節が伸展する場合、筋筋膜が
統合された1本の連続ラインとして機能します。
SFLの全体的姿勢機能はスーパーフィシャル
・バック・ライン(前回参照)とのバランスをとり、
重力線より前で伸展する骨格部分、すなわち
恥骨、胸郭、顔を持ち上げるために上から
張力で支えることです。
SFLの筋筋膜は膝の姿勢的な伸展も維持、
SFLの筋は身体の前面を飾る柔らかく繊細な
部分を防御できるよう待機し、腹腔の内臓を
保護しています。
SFLは厳密には趾骨先端周囲の筋膜を介して
SBLとつながりますが、この2つのラインは
反対の機能を示します。
SBLは足趾を屈曲させ、SFLは足趾を伸展
させます。
全身の矢状方向の姿勢バランス(A-Pバランス)
は主にこの2つの筋筋膜経線の関係がゆるむ、
あるいは緊張することで維持されています。
ちなみに体幹と頸部ではこの2本にディープ
フロントラインが加わってバランスを完全かつ
複雑なものにしています。
筋膜でみると状況に応じてSFLは下方へ、
SBLは上方へ移動することが多い傾向に
あります。
SFLの全体的運動機能は体幹と股関節の
屈曲、膝の伸展、足の背屈を行うことです。
ではこのラインの中で特にどの筋を調整
していく必要があるか。
「胸鎖乳突筋」です。
胸鎖乳突筋はディープフロントラインにも
関係しており非常に重要な筋となります。
また胸鎖乳突筋はSFLの第4の最上部
の筋とも言われ体幹への関連が強く示唆
されます。
SFLを張らせると、体幹の屈曲が発生します
が頸部の上端では過伸展が生じます。
高齢の方の姿勢でイメージがつきやすいと
考えます。円背の方の頸部は伸展している
のが胸鎖乳突筋やSFLが関連している、
ということにつながります。
そんな方は是非この胸鎖乳突筋を調整
してみて下さい。
頸部周囲のトーンも調整できますし、姿勢
も改善されやすくなりSFLの関連より痛み
の緩和にもつながります。
いかがでしょうか。
まずは評価、そしてつながりを理解し
治療することが重要です。
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