2017/08/08(火)
肩の痛みはインナーマッスルだけでは治らない?!
カテゴリー:肩の痛み
From志賀祐介。
今回は肩の痛みについて考えていきたいと思います。
肩の痛みは肩の構造が複雑であるため
治療も困難であるケースが非常に多いと考えます。
その中で皆様はどういう治療を行ってきたでしょうか。
よくある話がアウターマッスルの筋緊張の緩和です。
アウターマッスルが優位であると考えられ、いわゆる
肩甲上腕リズムが崩れ動作時に痛みを引き起こすのではないかということです。
しかしその痛みは本当にアウターマッスルが優位であるものでしょうか。
また反対にインナーマッスルの筋力低下、筋出力低下により
肩甲上腕リズムが崩れるという説です。
それに対して用いられるのがチューブなどでのインナーマッスルの
強化です。
これにより上腕骨が肩甲骨に対して求心性の力が
強くなり肩関節の安定性を向上させるというのです。
それゆえに肩は安定し挙上できるという説です。
しかし本当にその治療で効果が出るのでしょうか。
インナーマッスルを鍛えることで確かに
肩甲骨に対する上腕骨の安定性を上げることはできると思いますが
それが痛みの緩和になっているのかどうかは疑問です。
痛みが生じた状態で肩を上げるということは
十分な治療結果とはいえないでしょう。
そこで考えて頂きたいのが筋膜です。
アームラインを考えるとそのヒントが見えてきます。
特にディープフロントアームラインがキーとなることが多いと
臨床で感じております。
ディープフロントアームラインは主として母子から
胸部前面までを安定させるラインです。
上半身の左右動作を制限または許可するものでもあると
いわれています。
その中で特にみてほしい筋は
小胸筋です。
小胸筋は上を覆う大胸筋と分離して伸展させるのは難しいとされます。
しかし肩を挙上させる力と上肢の機能に密接な
関わりがあるともされています。
小胸筋の起始と停止を考えると起始は烏口突起であり
肩甲骨に直接関与することが分かります。
つまりこれは肩の動きにインナーマッスルと同様に
重要な評価すべき筋といえます。
この小胸筋を調整することができれば
肩と肋骨が密接に協同して動き、吸気時の肋骨の動きさえ
改善される可能性があります。
肩の痛みにはもちろん効果がある可能性が高いです。
是非一度、肩痛の治療の際にはインナーマッスルの他に
小胸筋の調整を加えてみてください。
痛みなく動作される利用者様が増えることを願っております。
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